就職活動・公務員試験・大学院入試

4年生のこの時期になると周りはほとんど進路を固めている(ロースクールの入試がまだだが)。

僕自身も進路が確定したので,そういう意味で進路について書くにはちょうどいいタイミングだと思う。

正確には,進路そのものよりも進路の入り口・登竜門,すなわち就職活動・公務員試験・大学院入試について書こうと思う。

 

就職活動

僕は法学部に所属しているので周りの人たちの3分の2は就職するのだろう(が,僕の知り合いで就職すると聞いたのは2人しかいない)。

就活のことはよくわからないが大体は夏ぐらいに内定をもらった企業から自分が入りたい企業を選ぶようだ。

まるで七並べで置くトランプカードを選ぶように。

僕自身も就活を少しやってみた。しかも8月の末からである。

なので,就活歴は1ヶ月半ぐらいしかないが,なかなか精神が削られるものだと痛感した。

まずはエントリー・シート(ESというらしい)を書く作業。

もちろん企業に自分のことを知ってもらうために大事なものだが(しかし選抜を経るたびに企業側から赤ペンをつけられ,姉妹には赤ペンまみれになるのだそう),たくさんの企業に応募する場合はかなり辛いことが予想される。

控えめにいってやる気が出なくなるわけである。

あとウェブテストは厄介な敵だ。

おそらく友達がいないと全て解けないのではないだろうか(これは朝井リョウの『何者』で主人公が言っていたことだ)。

それが終わり面接に進む。

面接も1回ではなく数回あり,最後は役員と面接するらしい。

僕自身2社応募したが,エントリーシートの段階で落とされたので就活の面接の経験はない。

しかし,面接については得意な方だと感じている(これは後述する大学院入試に関係する)。

あらかじめ問題を想定しておき,それが出れば用意した答えどうりに答えたら良いのだろうが,ここで大事なのは予想外の問題をどのように対処するかである。

ここが就活生の腕の見せ所であるのだろう。

そして,就活で大事な要素として,就活生の評価が面接官の主観により変わることを指摘しておかなければなない。

父はいわゆる大企業に勤めているのだが,彼によると「隣の部屋で面接をしていたら受かっている/落ちているかもしれない」し,それも踏まえて「ご縁がある/ない」と判断していかなければ就活はやっていられないという。

就活では主体性・積極性が叫ばれる割には基本的に就活生は同じようなカバンを持ち,同じような髪型で企業説明会に出向く。面接に挑む。

ここに特殊=日本的な社会規範を見出すことは造作もないことだが,就活生にとっての問題はその中でいかに自分をアピールできるかどうかだ。

ここで「自分」を見つけるという作業=「自己分析」が出てくるのだろう。

これに加えて客観的な評価を受けられるようなインターン経験や資格が大事になるのだろう。

しかし,20年ちょっと生きてきただけで「自分」というものをわかるはずがない(これは西洋法制史の先生がぽろっと言っていたことだ)。

そうやって考えている人は就活には向いていないのだろう。僕もそのタイプだっただけだ。

 

公務員試験

公務員試験はそのような「自分」を見つけるという課題に直面する必要はないのかもしれない。

僕自身,公務員試験を受けた。

北海道庁の地方上級だ。

まず筆記試験が課せられる。

北海道庁の場合は「社会事情・言語能力」と「数理・論理的能力」みたいな科目だったと思う。

国家Ⅰ種(?)なんかはもっと科目が多いらしい。

いずれにしても,これに備えてひたすら受験勉強をするというわけだ。

ちなみに札幌市は北大法学部にとって格好の就職先であり,かなり多いらしい。

また,法学部の進路の中で,地方・国家両方を含めた公務員は例年35%前後である。

彼らは大体1年ぐらい受験勉強しているんじゃないかと思う。

しかし僕は1ヶ月しか勉強しなかったため,普通に筆記試験で落ちてしまった。

ただ勉強したらしっかり成果が出るんじゃないかと思う。

その意味で手堅い進路ではある。

 

大学院入試

いわゆる「院試」というやつだ(僕はこの略語が嫌いである。なぜ高校入試・大学入試の場合は受験(高試・大試とは言わない)なのに大学院入試の場合は「院試」というのか。理解できない)。

北大法学部は(研究大学院・専門職大学院両方を含める)進学者は大体20%だ。

選抜の構造は基本的に公務員試験と同じだ。

筆記試験(専門科目・外国語)と口述試験である。

大体筆記試験に受かれば口述試験に進むという感じである。

今年はコロナ禍の影響で筆記試験の代わりに書類審査が課せられた(そのために受かったラッキーな人間なのだ)。

ちなみに僕が受験した大学院は103人が受験し,書類審査の段階で36人に絞られ,最終合格者は18人だった。

このことから,今回はかなりポテンシャル採用的な側面があったと言える。

しかし一般的にはしっかりの専門科目を勉強し,外国語をやれば問題ない(らしい)。

筆記試験・書類審査をパスすると口述試験が待ち構えている。

3人〜5人の教員により小一時間問い詰められる。

口述試験に関する逸話を話すのが院生の性のようだ。

一般的に口述試験圧迫面接だと言われるが,僕の場合は圧迫さを感じなかった。

これはオンラインで記録が残るからなのか,あるいは僕が外部生だからなのか(これはほとんどあり得ないと思う),教員が圧迫面接をしないタイプの人間だったのか(有力だと思う),僕自身がストレスを感じなかっただけで圧迫面接をしていたのか,わからない。

質問内容は書けないが,なかなか面白いことを聞くなぁと思って笑いながら答えたのを覚えている。

合否の評価として確か「提出書類(研究計画書・小論文)・学部の成績・その他語学力を証明する書類の総合評価」とされていたと思うが,学部の成績・GPAはおそらく評価にそこまで重要ではないと感じられた。

なので,学部の成績がそこまで高くない人もあまり心配しないで欲しい(卒業できるか懸念されるレベルで単位が習得されていない場合は

試験委員から質問されると思う)。

この辺りは来月指導(予定)教員に会うので必要であれば書こうかなと思う。

 

進路に正解はないと思うし,確実な未来も待っていない。

その中で進路を選ばなければならないのが大学4年生なのである。