2021-01-01から1年間の記事一覧

フランスにおける人格権:私生活の尊重を求める権利と民事責任との関係

民法演習の報告の材料として,フランスの人格権を扱う文献を読んだ。 その中のPascal Ancel, Droits des obligations (Dalloz, 2020), pp.390-394を訳出した。 不法行為法の構造としてはフランス法を継受している面もある日本にも何かしらの示唆を得るもので…

「契約」という翻訳

Ⅰ はじめに 日本が近代化を目指し,西洋列強から法制度を継受(輸入)した際に,輸入した概念・観念を日本語で表現するのに多大な苦労を要したことは,よく知られている話である。有名な話としては,福沢諭吉がright(Recht,droit,regt)をどのように訳し…

仙台旅行

夏休みが始まり1ヶ月ほど札幌の実家に戻ったのち,いざ東京に帰るついでに,仙台に行ってきた。 仙台は小6の時に行ったきりで,旅行という旅行もしていなかった。 そもそも東北を旅行するという発想がなかった。 しかし札幌と東京の間に東北があることに気づ…

グンター・トイブナー「グローバル・ブコーヴィナ──越境的法多元主義の発生に向けて──」訳(下)

グンター・トイブナー「グローバル・ブコーヴィナ──越境的法多元主義の発生に向けて──」訳(上) - pompombackerの徒然 グンター・トイブナー「グローバル・ブコーヴィナ──越境的法多元主義の発生に向けて──」訳(中) - pompombackerの徒然 Gunther Teubner…

住居変遷(回帰?)

北大を卒業して東京に引っ越すことになった。 札幌の開放的な空気感が好きだった僕には名残惜しかったが,東大は東京にあるのでしょうがない。 実は東京には中学のとき住んでいた。 しかも,東大と同じ文京区に住んでいたのである。 そのため,土地勘はある…

札幌を去る

明日から札幌を去り東京での生活が始まる。 札幌を離れるということは僕にとって親元を離れるということだ。 札幌を離れるということは僕にとって大学を卒業するということだ。 北大にはそういう卒業生が一定数いるのではないだろうか。 大学では愉快に遊ば…

4年2学期の自己評価

この学期は授業を全く取らなかったので成績云々で語ることはできない。 そこで,自らの赴くままにやっていこうと思った。 4年2学期の目標 - pompombackerの徒然 2学期が始まった当時に次の3つを目標に掲げていた(忘れていた)。 ①ドイツ語の勉強 これはウェ…

グンター・トイブナー「グローバル・ブコーヴィナ──越境的法多元主義の発生に向けて──」訳(中)

グンター・トイブナー「グローバル・ブコーヴィナ──越境的法多元主義の発生に向けて──」訳(上) - pompombackerの徒然 前回に引き続き,Gunther Teubner, “Globale Bukowina : Zur Emergenz eines transnationalen Rechtspluralismus” in Rechtshitorisches…

グンター・トイブナー「グローバル・ブコーヴィナ──越境的法多元主義の発生に向けて──」訳(上)

「生ける法」議論の系譜を現代に辿っていくうちに,Gunther Teubner, “Globale Bukowina : Zur Emergenz eines transnationalen Rechtspluralismus” in Rechtshitorisches Journal 15(1996), S.255-290という論文があることを村上淳一「歴史的意味論の文脈に…

北大法学部がおすすめな理由

先週共通テストが実施され,今は出願期間に入っているだろう。 そこで,北大法学部生自身が北大法学部をおすすめする理由を述べていきたいと思う。 もちろん,共通テストの成績云々により難しい側面があることは否めないが,後述するように北大法学部に入る…